かき抱くやうに大気をひきよせて風に乗りたし腋ふくよかに 小島ゆかり『六六魚』
マグカップ落ちてゆくのを見てる人、それは僕で、すでにさびしい顔をしている 千種創一『砂丘律』
火祭りの輪を抜けきたる青年は霊を吐きしか死顔をもてり 春日井建『未青年』
まだたべないところを持って食べるピザ さいごは指のあとごと消える 上澄眠『苺の心臓』
何にでも搾るべき平兵衞酢わが罪に水に魚にビールに搾る 大口玲子『ザベリオ』
火祭りの輪を抜けきたる青年は霊を吐きしか死顔をもてり 春日井建『未青年』
交尾せる犬の頭をかき抱きなぜおり小学一年の女児 岡部桂一郎『戸塚閑吟集』
便壺に蛆ふつふつとむらがるを生きのびながらかく見おろせり 坪野哲久『北の人』
路地、猫を追う君を追わない僕を、気にしなくてもいいから、猫を 𠮷田恭大『光と私語』
路地、猫を追う君を追わない僕を、気にしなくてもいいから、猫を 𠮷田恭大『光と私語』
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